地震に負けない家

地震に負けない家

建築年数が倒壊危険度を左右する
○１９８０年以前に建てた家が危ない！？
「地震に対する安全性は１９８１年が大きな分岐点と語るのは
工学院大学の宮澤健二教授だ。
日本は大地震に見舞われるたびに建築基準法を改正して建物の耐震性を高めてきた。
中でも８１年は耐震性能を大幅に高めた大改正が行われたからだ。
多くの犠牲を出した阪神・淡路大震災では、
倒壊した建物の９割が８１年改正より前の建物だったとの報告もある。

○２０００年以降に導入された住宅の品質
しかし８１年の改正でも規定される壁の量が増えただけ。
「壁の配置バランスが悪いと建物はねじれながら倒壊してしまいます。
また筋交いや柱脚部の接合、床・屋根の一体化も耐震性にはとても大事なものですが、
これらが取り入れられたのは２０００年以降。
阪神大震災の被害によって研究が進みこういった点の見直しが生まれたのです」。

地盤補強と基礎が明暗を分ける
○軟弱地盤ほど揺れは大きくなる
いくら頑丈な家でも弱い地盤に、何の対策もなく建てたら傾いてしまう。
一般的な家は建物や家具の重さを合計すると３０～４０トン。
軟弱地盤の場合、この重さを支えきれずに不揃いに沈下してしまうのだ。
「新築住宅に発生する問題で水漏れの次に多いのは、
地盤の不動沈下」（不二商　忠平社長）。
さらに地震が起きると、軟弱地盤は固い地盤に比べて揺れは大きく、
その周期も大きくなるため被害に発展しやすい。

○正しい地盤補強が地震対策の第一歩
東京都が「あなたのまちの地域危険度」を発行するなど、
地盤分類を公開している自治体もあるが、
確かなことを知るには専門の会社に地盤調査をしてもらうことが一番。
調査費用の目安は５～６万円。
多くの住宅メーカーが事前調査を実施している。
地盤の特性がわかればそれに応じて適切な対策をとればよい。

月刊ハウジング１０月号より抜粋